プロジェクト背景
C社は自動車部品を主力とするグローバル製造企業。国内5拠点・海外3拠点でそれぞれ異なるバージョンのSAPシステムを運用しており、グループ連結決算に毎月多大な工数が発生していました。SAP ECC6.0の保守期限も迫り、S/4HANAへの移行は避けられない状況でした。
課題
8拠点で異なるSAPカスタマイズが施されており、アドオン開発数は2,000本以上。標準化が進まないまま移行すれば、移行コストの膨張と保守性の低下が懸念されました。また、各拠点のキーユーザーの協力を得ながら業務プロセスを標準化する必要があり、チェンジマネジメントの難易度が高いプロジェクトでした。
アプローチ
プロジェクトの推進ステップ
現状分析
全拠点のSAPカスタマイズ・アドオンを棚卸し。2,000本以上のアドオンを分類し、「廃止」「標準化」「移行」の判定を実施
Fit to Standard推進
SAP S/4HANAの標準機能をベースに業務プロセスを再設計。グローバルテンプレートを策定し、各拠点のローカル要件との調整を実施
段階的移行計画
本社・国内主要拠点を先行移行(フェーズ1)、その後海外拠点を移行(フェーズ2)する段階的アプローチを採用
データ移行戦略
マスターデータの統一ルールを策定し、データクレンジングを実施。過去5年分のトランザクションデータの移行方針を決定
チェンジマネジメント
各拠点のキーユーザーを巻き込んだワーキンググループを組成し、業務プロセス変更の合意形成を推進
カットオーバー支援
移行リハーサルを3回実施し、切替手順を精緻化。カットオーバー時のハイパーケアチームを組成
成果
プロジェクトで達成した主要な成果指標
国内5拠点・海外3拠点のSAPシステムを1つのS/4HANAインスタンスに統合
アドオン数の60%削減とインフラ統合により、年間運用コストを大幅に削減
グループ連結決算のプロセスが標準化され、決算早期化を実現
段階的移行と厳密なスコープ管理により、当初予算内でのプロジェクト完遂を達成
担当コンサルタント
コンサルタント M.S.氏
大手SIer系コンサルティングファーム出身。SAP認定コンサルタント(FI/CO)として12年以上の経験
SAP導入・移行プロジェクトに12件以上参画。製造業・商社のグローバル展開に強み
2,000本以上のアドオンの整理は困難を極めましたが、Fit to Standardの推進により将来の保守性が大幅に向上しました。移行後の安定稼働も早く、経営層からも高い評価を得ています。(IT統括部 部長)