戦略案件の単価が高止まりしている理由|参画できる人とできない人の差
フリーコンサル市場において、戦略案件の単価は上昇傾向にあります。正確に言えば、単価の平均が上がったのではなく、低単価の戦略案件が消えて、高単価のものだけが残っている。これがPERSONAの案件を通じて見えている2026年の実態です。
「戦略案件は単価が高い」というのは以前から言われていたことですが、今起きているのは構造的な変化です。この変化を理解していないと、戦略ファーム出身者であっても案件が見つかりにくくなる可能性があります。
何が起きているのか
調査寄りの戦略案件が減っている
かつてフリーコンサルの戦略案件には、大きく2つのタイプがありました。
タイプA:調査・分析型。 市場調査、競合ベンチマーク、事業環境分析などが中心。成果物はレポートやスライドで、調べてまとめる能力が求められる。
タイプB:意思決定支援型。 中期経営計画の策定、M&A戦略の検討、新規事業領域の選定など。経営層との議論を通じて方向性を決める仕事であり、調べるだけでなく判断に貢献することが求められる。
このうち、タイプAの案件が明らかに減っています。
理由はいくつか考えられます。まず、企業内の企画部門の能力が向上し、基礎的な調査・分析は自社で対応できるようになったこと。次に、生成AIの普及により、情報収集や初期的な分析の効率が劇的に上がったこと。「調べてまとめるだけ」の仕事に外部コンサルタントのコストをかける合理性が薄れてきています。
DXブームが戦略案件の需要を変えた
2026年現在、DXやデジタル変革の波は一巡し、企業は「技術導入」から「事業戦略としてのDX活用」にフォーカスを移しています。これは戦略案件の需要構造に大きな影響を与えました。
以前は「DXとは何か」「どの技術を選ぶべきか」といった調査型の案件が多数ありましたが、現在は「DXで既存事業をどう再構築するか」「新規事業でデジタルをどう武器にするか」といった、より戦略的で難易度の高い案件に変化しています。
残っている案件は難易度が高い
一方でタイプBの案件——経営判断に直結する高難度の戦略案件——は減っていません。むしろ、企業の経営環境が複雑化する中で、外部の専門家に意思決定の壁打ち相手を求めるニーズは増えています。
これらの案件は、「答えがない問いに対して、自分なりの仮説と論拠を持って経営層とディスカッションできる」人材を求めています。スライド作成が上手い人ではなく、経営者の思考パートナーになれる人が必要です。
結果として、戦略案件の全体像はこう変わっています。低〜中難度の案件が減少し、高難度の案件が残り、平均単価は上昇。参画できる人の条件は厳しくなり、参画できた人の報酬は高くなる。
参画できる人とできない人の差
では、高止まりしている戦略案件に参画できる人とそうでない人の差はどこにあるのか。PERSONAのエージェントが案件とコンサルタントをマッチングする中で見えている違いを整理します。
差①:「調べました」で終わるか、「こうすべきです」まで言えるか
最も大きな差はここです。
クライアントが高単価で外部のフリーコンサルを起用する理由は、「自分たちだけでは出せない判断の材料が欲しいから」です。情報を整理するだけなら社内でできる。求められているのは、情報を解釈し、選択肢を提示し、「私はこうすべきだと思います」と意見を述べること。
この「自分の見解を持つ」という姿勢は、ファーム時代の役職に関係ありません。マネージャー経験者でも、ファーム時代にパートナーの方針をスライドに落とし込む役割が中心だった人は、この能力が十分に鍛えられていないことがあります。
差②:業界知見の深さ
高難度の戦略案件ほど、対象業界への深い理解が求められます。汎用的な戦略フレームワークを当てはめるだけでは、経営層との議論についていけません。
たとえば、製薬企業の中期経営計画策定を支援するなら、薬価制度、パイプラインの評価方法、グローバルでの開発動向など、業界固有の知識が前提になります。エネルギー企業のM&A戦略であれば、電力自由化の影響、再エネの経済性、規制環境の変化を理解していなければ、意味のある仮説は立てられません。
PERSONAの登録者にはMBB、Big4、アクセンチュアを中心とした大手ファーム出身者1,200人以上が在籍しており、それぞれの業界知見を活かした案件参画が可能です。エージェントもファーム出身であるため、「この人の金融業界経験は、この案件のどの部分で活きるか」を具体的に判断した上でマッチングを行います。
差③:経営層とのコミュニケーション力
戦略案件のカウンターパートはCxOや経営企画部長クラスです。彼らとの議論をリードするには、単に論理的であるだけでなく、相手の意思決定のスタイルや組織の力学を読み取った上でコミュニケーションする力が必要です。
これは教科書で学べるものではなく、実際にそのレベルのクライアントと対峙した経験の蓄積です。ファーム時代にパートナーと一緒にCxOとの会議に出ていた人と、プロジェクトルームでスライドを作っていた人では、この経験値に大きな差があります。
差④:新しいトレンドへの適応力
2026年の戦略案件では、単に経験があるだけでは不十分です。生成AI、サステナビリティ経営、地政学リスクなど、新しいトピックに対する理解と見解が求められます。
「私の専門は製造業の事業再編です」だけでは、現在の戦略案件では競争力に欠けます。「製造業の事業再編において、生成AIがサプライチェーンに与える影響をどう織り込むか」まで語れる人材が求められています。
戦略案件に参画するために今からできること
現時点で戦略案件に参画できていない人が、この市場に入るためにできることを整理します。
ステップ1:自分の経験の中から「判断に貢献した」場面を棚卸しする
戦略ファーム出身でなくても、業務案件やIT案件の中で経営層への報告や方針提言を行った経験があれば、それは戦略案件への参画可能性を示す材料になります。重要なのは、「どんなプロジェクトにいたか」ではなく「どんな場面で自分の判断がクライアントに影響を与えたか」です。
ステップ2:業界知見を深める
自分が最も詳しい業界を1つ選び、その業界の中期的なトレンド、主要企業の戦略、規制環境の変化について、経営層と議論できるレベルまで知識を深めましょう。複数の業界を浅く知るよりも、1つの業界に深く刺さるほうが、高単価の戦略案件では評価されます。
ステップ3:低稼働の戦略案件から経験を積む
いきなり稼働率60%の戦略案件にメインで入るのが難しい場合、稼働率20〜40%のアドバイザリー型案件から始める選択肢があります。経営会議への月次参加、新規事業アイデアの第三者レビュー、中計策定の壁打ち相手など、低稼働でも戦略的な判断に関与できる案件はあります。
PERSONAでは稼働率10%から案件を取り扱っているため、メインの業務案件やIT案件を維持しながら、戦略案件の経験を並行して積むことが可能です。
ステップ4:新しいスキルセットを身につける
2026年版の戦略案件で差別化するなら、以下のようなスキルセットの習得を検討してください:
- 生成AI活用戦略の立案経験:単なるChatGPT利用ではなく、企業の競争優位にAIをどう組み込むかの戦略設計
- ESG・サステナビリティ戦略:規制対応だけでなく、事業機会創出の観点からの戦略立案
- 地政学リスク分析:サプライチェーン見直しや市場戦略への影響分析
これらは従来の戦略コンサルティングスキルに上乗せして身につけるものですが、案件獲得の競争力を大幅に向上させます。
2026年の戦略案件市場で成功するための心構え
最後に、現在の戦略案件市場で成功するための心構えをお伝えします。
「わからない」と言える勇気
高単価の戦略案件では、知ったかぶりは致命的です。クライアントが求めているのは正解を知っている人ではなく、正解にたどり着くためのプロセスを一緒に歩める人です。自分の知識の限界を正直に伝え、その上で「どうすれば判断材料を揃えられるか」を提案できる人が評価されます。
継続的な学習の姿勢
戦略案件の対象領域は常に変化しています。5年前の成功体験にしがみついていると、あっという間に市場から取り残されます。新しいトレンド、新しいフレームワーク、新しい事例を常に吸収し、自分のアドバイスに反映させる姿勢が必要です。
クライアントとの関係構築力
一度の案件で終わるのではなく、継続的にクライアントから相談される関係を築けるかどうかが、フリーコンサルとしての成否を分けます。これは単なる営業力ではなく、クライアントにとって本当に価値のあるアドバイスを提供し続ける実力の問題です。
まとめ
戦略案件の単価が高止まりしている背景には、調査寄りの案件が減り、高難度の意思決定支援型案件だけが残っているという構造変化があります。
この変化は、戦略案件に参画できる人にとっては好環境です。需要はあり、単価も高い。しかし参画のハードルは上がっており、「調べてまとめる」能力だけでは不十分です。
自分の見解を持つこと、業界知見を深めること、経営層とのコミュニケーション力を磨くこと、そして新しいトレンドに適応し続けること。この4つが、高止まりする戦略案件に参画するための条件です。
PERSONAでは、あなたの経験とスキルが現在の戦略案件市場でどう評価されるか、ファーム出身のエージェントが具体的にお伝えします。
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